タイトル


 2007年 7月 〜 12月 の 今月のひと言 .

  ロンドン・レーベル  2007年 7月 1日

 CDが アナログ・レコードに取って代わってから約30年、個々の CDがどの会社から出た演奏かを気にする傾向が薄れたと思いますが、レコード時代では同じ演奏家の レコードでも出版された会社によって演奏の印象が だいぶ違ったもので、新譜の批評記事などでも録音について触れるものが多くあったものでした。

ロンドン : テームズ川  先月 「水上の音楽」 を Upしましたが、その際に ベイヌム指揮の ロンドン・フィルの演奏、ロンドン・レーベルの レコードを聴きなおして、あらためて ロンドン・レコード (英デッカ) の音作りへの意思が感じられ、今そのような音を聞くことがなくなったな、と思いました。

 "ロンドン・レーベル"、今流の言い方をすれば "ロンドン・ブランド" の レコードの "ffrr (Full Frequenncy Range Recordinngs)" の音は、いかにも イギリスを感じさせる、メリハリが利いて押し出しのあるものでした。 この 「水上の音楽」 をはじめ ホルストの 「惑星」、ブリテンの 「青少年のための管弦楽入門」、エルガーの 「威風堂々」 など、将に "威風堂々" としたような "いかにも イギリスらしい" 音楽を買うなら、演奏家を選ぶ前に ロンドン・レーベルの レコードを選ぶというくらいに意味があったと思います。 ...ショルティ指揮の リング4部作 (ワーグナー作曲 「ニベルングの指輪」) などは ロンドン・レーベルの "代表作" と言えるのではないでしょうか。

 もちろん当時、ビクター、コロンビア、グラモフォン、EMIなども、ロンドンほどではないにしても各々に音作りに特徴があり、どの レーベルを選択するかも レコードを買う際の判断ポイントに入っていたと思います。 CD時代になってからは 音質、つまり実音への忠実度がが高度化して差が聞き分けられなくなったのか、"音作り" という感覚が薄れたのか。

  どんなに技術が発展して生の音を完璧に忠実に再現できるようになったとしても、聴き手の耳に届くまでの音は、録音の仕方や聴く側の 室内環境や機器など様々な条件を経ていて、結局は、技術的なこともさることながら それらに関わる人達の センスなどによって "これが忠実だと思うものに作られたもの" であることは間違いのないことだと思います。 ...そうしてみると、技術が進歩しても進歩しない、いや 逆に 後退するものもあることを思わされます。

  M P 3 化  2007年 8月 4日

 当HP開設から約11年。 当初 マンドリン、ギター曲を中心にその MIDIデータのみを掲載していた 当HPでは、推奨する ヤマハの XG音源 で聴いていただくことを念頭に 楽器間の音バランスなどを設定してきました。

 しかし その後の MIDI音源 の勢力図が変化し、XG音源で聴かれる方は極めて少数派になり、大勢の方が Windows標準添付の GS音源 で聴かれ、さらに 今のところ Windowsの VISTA には XG音源の搭載が不可となっている状況下で、当HPではその対応が 課題 となっておりました。

 元々 私としては GS音源 はお奨めしたくない音源であるため、当HPでは これまで 差し替え差し替えしながら、私が XG音源で鳴らして録音した MP3版も併載してきておりましたが、MP3 は ファイルサイズが大きいために その掲載は ごくわずかの曲数に限られ、結果として 相変わらず MIDI版で掲載されている多くの曲が 多くの方々に GS音源で聴かれているという状態にあります。

 こうした状況を打開するために、この 7月、何とか GS音源でも違和感なく聞こえるよう、MIDI上の様々な設定の工夫をしてみましたが、そうした対応は結論的に無理、すなわち 楽器音の違和感は解消されないと判断しました。

 一方で ファイル・サイズが大きい MP3データ の方は 大量掲載が可能となってきて、最近 当HPが加入している プロバイダの規定容量も 有料ながら 1ギガまでに拡張され、これまでの 300メガの容量に比べれば大幅に MP3版を増やすことができる環境が整ってきました。 ...思えば 既に ケータイ (携帯電話) の世界では MIDI の "着メロ" の時代から MP3 などの "着ウタ" の時代に移っており、もはや ファイル・サイズが小さくて手軽に Netに載せられた MIDIそのもの (MIDI版) を Net上に流す時代は過ぎたと言えるのかも知れません。

 こうした状況を踏まえ、当HPでは、これまでの "MIDI版中心の曲揃え" を改め、XG音源の音である MP3版の方で聴いていただけるよう、"MP3化" を志向することとしました。 ただ、掲載容量が 1ギガに増えたとはいえ、現在 当HPの全ての曲を MP3版で埋めることは不可能なため、GS音源でも違和感の少ない ギター曲は 引き続き MIDI版で掲載するとともに、ギター曲以外の MIDI版は廃止することとしました。

 今後 規定容量が さらに拡張されれば 全ての曲について MP3で提供していこうと思っておりますが、そうなると 聴き手の音源の良し悪しの問題は 全て解消されるものの、今度は 送り手 (私) の音源が問題となり、しかも XG音源も マンドリンや ギターの音など まだ楽器の リアルさには距離があるため、今後は 実際の楽器と比較して その質感、臨場感なども含めて より リアルな ハード音源 などを探り、それで MP3録音するようにしていきたいと思っております。 ...もっとも、その前に 演奏そのものの方を何とかしなければ、ですね (^_^;;)。

  ハ ミ ン グ 検 索  2007年 9月 1日

 テレビの CMなどで流れている曲を聞いて "いい曲だが何という曲だろう?" と思っても、周囲に知っている人が居ないために 結局分からずじまいに終わっているといった経験をお持ちの方も少なくないと思います。 ...最近まで私は、"入力しようのない うろ覚えの メロディーから曲名を知る" などということは、パソコンや インターネットが発展しても そう簡単には実現しないだろうと思っていました。 ギター

 ところが最近、音声認識技術の進展で パソコン内臓、あるいは パソコンに繋げた マイクから ハミングで メロディを入力して曲名を検索することができるようになったということで、いとも あっさりと私の固定観念は覆されてしまいました。 マイクさえあれば無料で会員登録などの必要もなく すぐに検索できるので、早速 "midomi" という サイトで試してみましたが、歌などの ヒット率は予想以上に良く、こうして ハミングで検索できるようになったということに、いわば隔世の感を抱きました。

 ...で、たまたま今日、ドヴォルザークの スラヴ舞曲 第10番 を Upしましたが、この曲と ハミング検索に関連したことを思い出しました。

 ...1985 (昭和60) 年頃、まだ MIDIが一般に流布する以前の パソコン通信 の BBSに 「今テレビで放映している ○○という商品の CMの BGMは何という曲でしょうか ?」 という質問の投稿があり、「曲の で出しの メロディの音符が ベーシック言語 で "O6B16O7C16O6B16A16B16O7C4O6B8" だと思うんですが、それであれば スラヴ舞曲 第10番です。」 と返事し、それで話が通じたことがありました。 今から思うと、メロディを確認するにはそうした手くらいしかなく、しかも お互い素人とはいえ いわば特殊な者同士の世界の話でした。

 ...でも現在、いくら画期的とは言っても、検索するまでに肝心の メロディを忘れてしまったら (・・?、...そこまでは いくら パソコンや Netでも面倒はみてくれないでしょうね (^_^;)。

 ところで話は全く変わりますが、その スラヴ舞曲の作曲者 : ドヴォルザークの肖像を写真で見ると、なんとなく ゴッホの描いた タンギー爺さんに似た顔で、はなはだ失礼ながら そういう顔をした人から スラヴ舞曲 第10番のような こんなに ウェットな曲が生まれたことに、いい意味の違和感を感じます。 彼の 交響曲 第8番の 第3楽章なども考えてみればそうですし、もっともこの時代、ブラームスにも 多分にそうした曲が多く見られますね。

 そこで、彼とは "月と スッポン" と言うことさえ おこがましい日本の タンギー爺さん (!?) 、いや タンギーお兄さん (^^ゞ が この曲に刺激されて いじりたくなって作った (編曲した) 曲が実はあるんですが、それは....... この曲 なんです (^_^;;)。

  パヴァロッティ  2007年 10月 1日

 去る 9月6日、ルチアーノ・パバロッティ (1935-2007) (参照: ウィキペディア) が 71歳で亡くなりました。すい臓がんだったとのことですが、ドミンゴ、カレーラスとの、いわゆる "3大テノール" の一角が崩れ、寂しいこととなりました。

 堂々とした、"巨体" と言ってよい体格で、それが全身を振り絞って張り裂けるように響き渡る声量は聴く者を圧倒するものがあり、一方で に茶目っ気もあって、にこっと笑った顔の人なつっこさも忘れられない印象がありました。 そして、万来の拍手の中、両手を大きく広げて天に向かって感謝するような挨拶の仕草も聴く者との一体感をますます高めたような気を起こさせました。

 私の住む近所に クラシック音楽好きの仲間が何人かで CDを聴いたり オペラの DVDを鑑賞したりする集まりがあって、先日、いわば "パバロッティ追悼" といことで彼の歌った イタリア民謡のCDや 歌劇 「リゴレット」、「愛の妙薬」、「ラ・ボエーム」、そして 1990年ローマ・カラカラ浴場遺跡での "3大テノール" コンサートの DVDをかけたのですが、CDでも DVDでも聴き終わった後、皆から思わず拍手! ...その場に演奏者は誰もいないのに、...という珍現象が起こりました。

 大編成の オーケストラが 例えば 「ツァラツストラ」 の冒頭のような圧倒的な迫力のある演奏を響かせても、人の耳にしてみれば "想定内" のことですが、一人の人間の口から発せられる一本の声でここまで圧倒される迫力が世の中にあるいうことは、想定を上回る驚異と言っても良く、皆 彼の歌を初めて耳にした分けでもないのに 思わず拍手が起こるということも、もっともなことではありました。 例えば イタリア民謡の 「カタリ・カタリ」 や 「帰れ ソレントへ」 など、体当たりで壁に体を押し付けられ締め上げられる、というくらいの声で迫られると、こちらも思わず ギャーと声を出してしまいそうにもなろうというものです (...ちょっと オーバーでしたね (^^ゞ)。

 もちろん ただ声が大きいだけで圧倒されるというものではなく、また ソプラノや バスでも凄いと思わせられる歌手も少なくはないものの、やはり総体としてそれらを上回る力量が パヴァロッティには備わっていたということでしょう。 ...彼の ナマの コンサートを聴く機会がなかったのは誠に残念 (-_-)。

  メディア変換 その2  2007年 11月 1日

 恐れていたことが起きてしまいました (~o~)。 デジタル・ビデオカメラが海水をかぶってしまったのです。 海中に落としたという分けでもないのに、修理に出したら あっけなくというか、そっけなくというか、"修理不能" との回答。 SONY ハイビジョン・ハンディカム

 デジタル・ビデオカメラも今では DVDへの直接記録方式、あるいは ハード・ディスクや メモリーへの記録方式などが登場し、昔からの テープに記録する形式のものは過去のものになりつつあり、私も 5年前に買った 2代目の テープ式のカメラ が壊れたりしないうちに、撮り溜めてある テープから DVDなどへ移して、つまり メディア変換 しておこうと思ってはいました。

 ...が、運悪くその前にこうしたことになってしまい、買い直した カメラは、ハイビジョンとはいえ、仕方なく古くなりつつある テープ式 (右の写真)。 ..."もし相変わらず DVD化をしてない状態でまたこの カメラが同じようなことになれば、...(-_-;)" と思うと、"やはり早いうちに DVD化はしておかなくては" と せかされる気になろうというものです。

 さて、そこで新しい カメラを使って DVD化の作業を始めたものの、動画1時間位の テープ数十本となると、とにかく時間がかかる、トラブルが多くて DVDメディアを オシャカにしてしまうこともある、など、大変な作業です。...で、それまでしてそれらの DVDを見るのは今後何回あるのかと考えると、何とも意欲のわかない作業ではあります。

 実はそれとは別に昔から買い溜めたり録り溜めてある オペラなどの LD (レーザー・ディスク) も、市場から姿を消しつつある装置が壊れないうちにと思って DVD化を丁度始めたところでした。 そして、実は昔 テレビから録った オペラの VHSテープなども、今では見るに耐えられない画質であろうと思って長期保存の DVDへの ダビングはあきらめていたのですが、実際にダビングしてみると、あきらめるにはもったいない画質であり、そうなるとこれらも装置が動くうちにDVD化しておかなくては、...。 ...それら併せると "うんざり" に "超" がつくほどの時間が必要になってきます。

 "何ヶ月、いや何年かかることやら" と思いつつも、 とにかくやるっきゃないことでもあるので、"月数本づつでもとにかく 取り組もう" と、何とか意を固めたところではあります (+.+)。

  本当の初訪問演奏  2007年 12月 1日

 タイトルに "本当の" とあるのは、2005年 3月に書きました 10人位の仲間との " 初訪問演奏" の 1年位前に、実は友人の ギターと私の マンドリンの 2人だけで "老人ホーム・デビュー" をしていたためで、今回はその時の模様を思い出して、....。

 2003 (平成15)年頃、親友の O君とは学生時代以来 何十年ぶりかで合奏を再開したものの、昔の学生時代の時のように腕が動かない情けない状態ではありました。 そして 「...でも多少練習すれば、童謡くらいなら、いずれなんとか老人ホームあたりでの歌伴もできるかな」 などと話し合っているうちに、彼が 「オレの父親の入っている老人ホームで ウデ試しを兼ねて一度演奏してみようか」 との提案。

 からっきし自信はなかったものの、「ホームの ロビーで勝手に演奏していれば、そのうち聴きたい人が寄ってくるという スタイルなんで、気楽に演奏できると思うよ」 という話で、"よし、それなら !" ということで彼の奥方も一緒の 3人で出かけたのは良かったのですが、...なんと ロビーへ入って行くと広めの部屋へ通され、調弦している間に 20人以上のお年寄りと ヘルパーさんが演奏会でも聴くような 席の並べ方で座り始めたではないですか。

 "ストリート・ミュージシャンの積もりで出かけたら ステージへ登らされた" といった勝手の違いに戸惑って、こちらはすっかり アガってしまい、初心者でも奏けるような唱歌・童謡なのに トレモロの腕は動かないは、音は間違えるは、で、演奏は散々 (-_-;;)。 ...彼の奥方の にわかの司会と歌唱指導による皆さんの歌でどうにか切り抜けたという格好でした。

 それですっかり懲りたか、というと実はその反対で、このような所で演奏する、いやさせてもらうことの意義とか やり甲斐を大いに感じさせられて帰ってきた次第でした。 若い人だったら 「なに ?、そんな歌 ?」 などと言われそうな歌かも、ですが、聴いていただく、いや歌っていただく皆さんの演奏前から期待感のあるような姿勢、そして終わった後のすっきりとした顔つき、そして感謝の言葉、...。

 ナマの音が部屋に響くだけでも、聴いていただく方達だけでなく自分達も浄化されるようだと言っても オーバーでない感じが広がるのは、そうした場のせいかも知れないと思ったものでした。 もちろん上手いにこしたことはないものの 下手っぴーな演奏でも多少は喜んでもらえるという、ほろ苦さの混じった気持ち以上に、生の演奏がもたらす共鳴感の素晴らしさを感じさせられた "デビュー" でした。



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