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 2015年 7月 〜 12月 の 今月のひと言 .

リヒテル  2015年 7月 1日

  今年は ウクライナが生んだ ピアノの巨匠: リヒテル (1915-1997) (参照:ウィキペディア) の生誕百年の年で、ひと月ほど前の新聞の文芸欄にも彼の人となりが書かれていました。

  彼も、クラシック音楽の巨匠と言われる人に多い自由奔放な タイプゆえの逸話も数多く耳にします。 その新聞にも 「(彼は) 舞台では極力、照明を落とした。 ピアニストの顔や手を見ても意味がない、と。 楽譜も堂々と置いた。 暗譜で感心されることは、芸術の本質とは何ら関係ない、と。」、「音楽会をとりまく流儀の数々が、芸術を特権化し、喝采を生むためにつくりだされた "装置" にすぎないことに、リヒテルは気付いていた。」 などとありました。

  ...いいですねぇ。 コンサート好きの方には申し訳ないですけど、私などは大いに共鳴するところです。 その新聞にも 「彼の人生と音楽は現代人を説得する。」 とありましたが、コンサートに頼らなくてもそれ以上に自由にじっくりと音楽を聴ける環境のある現代、共感する人は少なくない筈です。

  ところで余談。 ...確かもう十年以上も前の NHK の番組 (今回調べたら 2001年放送の 「プロジェクトX」 でしたが) での話。 彼は ヤマハが製造した特注の ピアノの出来に大いに感激し、浜松工場へ足を運び、そこで製造に関わった人達にお礼の演奏をしたのですが、その演奏は結果として約2時間もの長きに及んだそうで、工場の人達は正直うんざりしたと言っていたのを思い出しますが、この放送を見た時、願ってもない貴重な演奏とはいえ、私もその演奏を聴かされた人達の方に共感しきりでした。


Windows 10  2015年 8月 1日

  3日前 (7月29日) に Microsoft から Win10 (Windows 10) が正式に リリースされました。 その直前の情報から察するに、また早くも インストールした人の感想などからしても、少なくとも、Win8 でもたらされた "混乱" はかなり解消された様子で、Win7 までの長年の パソコンの使い勝手は戻ってきたように思われます。

  その "Win8 での 混乱" は、パソコンOS市場で圧倒的な シェアをもつものの近年急速に市場を拡大してきた スマホや タブレット市場で遅れを取り、微々たる シェアに甘んじる Microsoft が それら市場での巻き返しを図るために、性急に パソコンの使い勝手を スマホや タブレットに近づけてしまったことにあったと私は思います。

  Win8 が登場した時に、そうした企業論理優先の策には付き合えないと思い、いよいよ私も Apple へ宗旨替えの時かと Win7 を使い続けながら、本腰を入れて Apple の iBook の検討を始めていました。 しかし若くもない個人が 2つの OSをまたいで使うということは大変なことであり、かといって大多数の Winユーザーがどんな画面でどんな音で当サイトを見聞きしておられるのかなどを確認できないまま Apple で曲演奏を作り、載せるというのも冒険すぎいるというものだと思い、今後こうしたあたりを我ながらどう結論づけようか、Win10 で改善が図られた様子だけにますます難しくなったようです。

  私の見るところ、今後も今までほどではないにしても、まだ パソコン市場は スマホや タブレットに食われていくでしょうし、一方で Win での スマホや タブレットの勢力拡大は もはや容易ではなく、Microsoft にとっては ますます厳しい時代に入ってくるのではないでしょうか。 "上から目線" で恐縮ですが、そうした中でも、安全性・安定性の格段の向上、諸機能の継続性の維持、細かい使い勝手、文言・言葉遣い、画面の センスなど、新市場拡大の前に長年の既存ユーサーに真に愛用される OS に向け まだまだ余地があるように思います。


批 評 眼  2015年 9月 1日

  この9月から指揮者の佐渡裕が ウィーン・トーンキュンストラー管弦楽団の音楽監督に就任するとのことで、彼が司会を勤めていた テレビ朝日の番組 「題名のない音楽会」では早くからそのことを題材にした放送を流していました。

  この楽団は 20世紀初頭に設立された ウィーンの音楽家協会の名称を冠した、ウィーン州と ニーダーエースタライヒ州を主な活動拠点とする楽団だそうで、私はこの楽団の存在を知りませんでしたが、いずれにしても音楽の都と言われる ウィーン、そして オーストリアで活躍するというのは大変なことに違いありません。 子供の頃から聴き慣れ自らも演奏するなどして育ってきた、いわば "耳の肥えた"人の多い ヨーロッパで日本人が演奏することは、誰に限らず相当厳しい評価を受けるだろうな、とはかねがね思っていました。

  ...ここで一転、卑近な私の自慢話のような話になりますが、若い頃から レコード 1枚買うにも自分なりに厳選して、後々にも大事に聴き続けるに足ると思える世界的・歴史的に名盤といえるような盤を買ってきましたが、それを何回も聴くうちに、多分にその名盤の演奏が評価の基準になって、私のような元々 "批評眼"、いや "批評耳" といえるものなどない者の耳でも、数も少ないながらそうした良く知っている曲の他の演奏者の演奏には、ついつい "上から目線" のような評価を下しがちになります。

  ひとつの曲でも何十種類もの演奏が売られている クラシック音楽の世界では、当然ながらすぐれた演奏の録音が多く買われいく分けで、多くの "肥えた耳" の、あるいは良いものしか知らない耳の クラシック・ファンには、大なり小なり、そして良くも悪くも、そうした傾向は否めないように思います。 日本の歌舞伎などもそうかも知れませんが、それ以上に録音という固定化された、しかも音だけを耳を澄まして聴く クラシック音楽の世界、さらにはその本場では 一層厳しいものがあると思います。 ...同氏の ベルリン・フィルとの共演 の時もそうでしたが、オーストリアでのご健闘を祈ります。


"ミニマリスト"  2015年 10月 1日

  家は賃貸、モノもほとんど持たない。 だから家具などもほとんど ナシ。 部屋は広く明るくなり、ノート・パソコンか タブレットでもあれば大抵の情報や趣味などは充足でき、掃除も物を探すのも苦労知らず。 他人と モノ自慢で競うようなこともない。

  ...最近の新聞で 「モノを持たない暮らしが注目を浴びている」 とのことで、"ミニマリスト (Minimalist)" と言われる人達の ライフスタイルが紹介されていました。 "所有と使用の分離" という言葉が出現して もう 3・40年にもなりましょうか。 "身軽な企業経営" という意味で、また同じように "身軽な個人生活" という意味で、各々今後の経営や生活の志向方向を言った言葉ですが、最近、ライフスタイルの面で そうした方向性が いよいよ本格化してくるような雰囲気が感じられます。

  こうした中、今年は毎月数百円で何百万曲、何千万曲もの音楽が聴き放題となる "アップル・ミュージック" や "LINEミュージック" など、音楽の定額配信サービスが続々と誕生してきましたが、これなど将に ミニマリスト の増加傾向に拍車をかけるものだと思います。 これまで毎月数千円の CDなどを少しずつ買って、それらにあふれる狭い部屋で ちまちまと後生大事に聴いてきた生活は何だったんだろうと思わせられるくらいです。

  そこで私も早速 "アップル・ミュージック" を試聴してみました。 ...が、Netの ラジオを通じて無料で 良い クラシック音楽の演奏を ふんだんに聴ける今、しかも持っている古い レコードを後生大事なお宝に、また まだ十分に聴ききったという気がしていない私が こうした サービスに本格的に手を出すには、今のところ ためらいがあります。 ...まだまだ "ミニマリスト" には遠いのでしょう。


"キュレーション"  2015年 11月 1日

  先月のこの "ひと言" の ミニマリスト" に続いて また新しい言葉の紹介のようになりますが、今月は "キュレーション (Curation)" について。

  通販、音楽・動画、ニュースなどのサイトを利用していて、あまりにも自分に ピッタリな関連商品などのお薦め画面が出て驚かされる、というか、自分の詳細な個人情報が流出してるんではないかと気味が悪くなるようなことが ままあったりしますが、"キュレーション" とは そうしたいわば "お薦め選択の機能" を言います。

  最近、 "アップル・ミュージック" を利用し始めた私の息子が、「この サービスの定額で聴き放題の メリットもさることながら、キュレーションによって、世の中には こんなにいい曲もあったんだと思い知らされる効果が大いに気に入った」 と言っていました。 "新聞・テレビ離れ"、そして "ネット傾斜" の傾向で、自分から能動的に行動を起こさないかぎり知識・経験の幅が拡がりにくくなった現代、それを後押ししてくれる キュレーション は大きな意味もあるように思われます。

  一方で、例えば私がよく利用する近所の家電量販店で ポイント会員の登録の際に メール・アドレスを記入したことから頻繁に入ってくる商品のお薦めの メールなどは、その店で多角的に扱っている食品やら健康グッズなど、およそ自分には関係ない煩わしいだけのいわば迷惑メールばかりで、これらには多少なりとも キュレーションの機能を導入してほしいものだとも思います。 ...煩わしくなく、感謝されるような機能の発揮は、人の心の琴線に関わる問題だけに将来とも難しいものがあるんでしょうね。


Win10 パソコン  2015年 12月 1日

  10月の末に Windows10パソコンを買いました。 Win7パソコン を買ってから 4年9ヶ月。 買い替えにはまだ早いとはいえ、それまで システムの イメージ・バックアップも録れずに突然破綻の不安をかかえていた Win7パソコンを びくびくしながら使っていたので、その意味では 待ちわびた買い物ではありました。

  購入に際しては、(この際思い切って Appleの iBookに いわば 宗旨替えしようかとも思ったものの) 結局は Windowsを継続。ハード面でも色々検討の結果、音や画面の発色の良さ、慣れた使い勝手から VAIO-Z にしました (写真は左から 旧Vaio-Z (Win-XP)、新Vaio-Z (Win10)、Vaio-F (Win7))。

  ...で、早速 Win10 につての私の評価ですが、期待ほど良くなかったという印象です。 不評だった Win8を改善し、新機能も盛り込んで進化した部分もあるとはいえ、Win7からすれば むしろ退化した部分が少なくなく、また予想以上に アプリの買い替えの出費もあって、やはり Microsoftが タブレットや スマホとの融和を意識し過ぎた パソコン戦略に無理があると感じさせられるものがありました。

  一方で、この 新VAIO-Zの ハードについては かなり満足できるもので、速さにおいては、再起動も 20秒もかからない。 Net上の動画再生もきわめて スムーズ。 音も MIDIの マンドリンや オーケストラの音なども自然。 高精細 (2560×1440ドット) で画面の発色も相変わらず バランスよく、また タッチ画面など タブレット兼用パソコンとしての使い勝手も良く、私としては かなり高い合格点をつけて良いものでした。

 ただし、128ギガの SSD搭載の代わりに HDDもなく、また BDドライブもなくて 20万円を超す価格の高さの分を差し引くと、果たして合格といえるのかどうか、...です。 それと困ったことは、悪い予感が当たって、もう 13年も前に発売中止となってしまった YAMAHA の MIDI音源が使える XPパソコンはもちろん、不本意ながら Win7パソコンも引き続き使い続ける必要がありそうで、今後暫くは これら 3世代の Windowsの使い分けをしなくてはならなくなったことです (-_-)。



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