タイトル


 2016年 7月 〜 12月 の 今月のひと言 .

「禁じられた遊び」 の謎  2016年 7月 1日

  数多い ギター曲の中で最も有名と言ってよい 「禁じられた遊び」 の曲名と作者について、かねがね抱いていた疑問が解けたと言って良さそうな話を最近聞きました。

  疑問というのは、先ず題名について この曲が主題曲として使われた映画の題名であることはほぼ誰でも知っている通り。 しかし売られている楽譜はほぼ全てが 「愛のロマンス」。 そして作曲者名については楽譜により "作者不詳" または "スペイン民謡" とあります。 イエペスが映画の バックで 「愛のロマンス」 を多少 アレンジして奏いたものと想像できますが、ではその 「愛のロマンス」 は誰が作ったのか?、それとも遠い昔から伝承された "民謡" なのか?、今まで納得いく形でその謎に答えたような記述は Net上でにもなかったように思います。

  答えは、...1913年に出版された アントニオ・ルビーラの ギターのための エチュード (練習曲) が原曲で、後年それを ダニエル・フォルテアが 「作者不詳のロマンス」 として出版。 さらに ビセンテ・ゴメスが 1940年に 「愛のロマンス」 として出版するとともに翌年公開の米映画 「血と砂」 で演奏。 そして 1952年公開の仏映画 「禁じられた遊び」 で イエペスが演奏し、世界的な大ヒットとなった。....ということだそうです。

  これは 今年3月12日放送の NHKの 「らららクラシック」 という番組で 各々の楽譜の写真などを使って説明されていたことですが、私はこれなら ナットクと思い、先日思い切って当サイトのこの曲の頁の作曲者名を 「原曲: ルビーラ」 とし、上記の解説を追記しました。 ...多分この解説の通りに相違ないと私は思いますが、こうはっきりと作曲者名を記述してしまうのは今まだ早過ぎて大胆なことなのかも知れません。


AI の進歩  2016年 8月 1日

  この 7月22日に日本でも配信された「ポケモン GO」 の早々の大ヒットで、テレビでは "歩きスマホ" の事故などの ニュースもだいぶ報じられていますが、それとは別に、その少し前の NHKの テレビ番組の 「クローズアップ現代」 では、 AI (Artificial Intelligence, 人工知能)技術の進歩について放送されていました。 将棋や囲碁の名人でも コンピューターに勝てなくなってきて、文学作品も コンピューターがそれなりのものを創作できるようになってきた AI の進歩は今後に大きな影響を与えるに違いありません。

  その 「クローズアップ現代」 では、コンピュターの "レンブラント" が いくつかの条件を与えられて描いた男の肖像画が紹介されていましたが、絵の具の重ね方までも 3D 情報で取り込んだ豊富な データを基にしたその男の深みのある眼差しは、間違いなく レンブラントその人が描いたものと思われるほどのものでありました。

  その番組では文学や音楽なども今ここまで進んでいるということも簡単に紹介されていましたが、それらから推測すれば、クラシック音楽の演奏でも、突飛な例えで恐縮ですが、"フルトヴェングラー指揮の 「海の組曲」 とか "カラヤン演奏の ギター曲 「アルハンブラ宮殿の思い出」 などといった演奏もすぐにでも実現できるほどの技術や データ整備はできているのではないかと思われます。...思えば、AI ではないものの、私自身が演奏した 「海の組曲」 や 「アルハンブラ」 などは、もう 30年近くも前に作れていたのですから。

  「果たしてこんなものに感動できるのか」 と言う人も少なくないとも思いますが、私自身は多分それを聴くことがあったとしたら、その技術にも演奏の出来にも、ほんの一時のことかも知れませんが、感動するような気がします。 今後好き嫌いとか良し悪しなどを超えて、主に経済的理由などから、何かと AI の進展は避けて通れない方向にあり、さらには人間にとって最後の砦と言っても良い "創作" の分野にまで コンピューターに入り込まれた以後の人間、そして社会の有り様を今から真剣に考えておくべきと思わされました。


15周年時 HP (クリックで拡大)

 20周年  2016年 9月 1日

 この 9月5日で 当HPは オープン以来 20周年を迎えます。 新曲Upの ペースがほぼ 3週間に一度とはいえ、これほど長期に継続できたのも ひとえに多くの方々のご支援の賜物と、心より御礼申し上げます。

 この際 現時点で Upしてある曲数を数えてみましたが、ひとつの曲の演奏楽器の異なる演奏や各楽章も各1曲と数えて 502曲にもなりました。 ただ、"あまり進歩がない" という意味の "十年一日" という言葉がありますが、掲載している内容が クラシックな曲であるということもさることながら、頁の構成や体裁面まで含めてもあまり変化のない、将に "ニ十年ニ日" というに過ぎないもので、目まぐるしい Netの世界では当サイトは とっくに ガラパゴス的存在なのかも知れません。

  でもその Netの IT技術面では、オープン当初の プロバイダーの ストレージ容量が 10MB (メガバイト)位しかなく、1分の長さの曲で ほぼ 1MBもある MP3録音 での掲載などとても考えられず、ほとんどの方に "カリカリ音" といったひどい音でお聴きかせしていた時代から、なんとか聴くに堪え得るであろう MP3録音で全曲を掲載できるようになった今までの、時代が進んだというか、我々の要求レベルに時代が追いついて来た間の道のりも長かったという気がしております。

 そして今でもまだ マンドリンや ギターの音の質感は実音とは差があり、その改善が必要とは感じているものの、実態として XPパソコンでしか使えない ソフト音源を使わざるを得ない MIDIの "退化現象" (→「XP終了」) とは依然 格闘中です。その意味ではまだまだ先は遠いのかも知れません。

        <参考記述: 創刊3周年5周年7周年10周年"ひと言" 15年
        <参考: 右の写真は今日現在の トップ頁 (クリックで 拡大して見れます)>


 "VR元年"  2016年 10月 1日

 先々月のこの "ひと言" の "AI" とともに今年になって マスコミなどでひときわ取り上げられることの多くなっているのが "VR (Virtual Reality)" (仮想現実) で、今年は "VR元年" とも言われています。 が、昔からの絵画、写真、動画、録音された音楽なども広い意味の VR で、それならとっくに、しかも当たり前に体験している世界と思うと、"元年" というのもちょっとどうかな? という気がします。

 今言う "VR" は ゴーグルのようなものを頭に装着し、周囲を見回すと 360度立体的で 従来より格段に リアルな世界が広がっているというもので、それも パソコン普及の初期から、画質も動きも不十分で リアルさにはほど遠いものではあったものの、360度見渡しながら冒険するような ゲームなどありましたので、そういう意味からも "元年" には疑問がありますが、ま、VR が飛躍的に進展する年、あるいはそうした企業サイドの意気込みのかかった年ということでしょう。

 芸術鑑賞としての音楽では、オペラは別として、基本的に音さえあれば画像などは邪魔にさえなる ケースも多いため、視覚面まで含めた VR は不要と言っても良く、その代り、音の リアルさの追及に関しては昔からの徹底追及の長い歴史を経て現在に至っている、元年も終わりもない世界だと思います。

 ただそれらは写真と同じく機器を通して現実を写したという意味で仮想とは言い切れず、画像の アニメのように人手で制作されたものということでは、将に当サイトで扱っているような MIDI が、現実の演奏が全く関与していない点で、それに当たるのかも知れません。 その MIDI は仮想にしてはあまりに現実的過ぎるのか (?)、今順調に育っているか はなはだ疑問ですが、やはり私としては今後健全に育っていってほしいところです。


 "VSC"  2016年 11月 1日

 この "ひと言" も 8月の "AI"、そして 10月の "VR" と、横文字の略語の タイトルが目立つようになってしまいましたが、今月は恐縮ながら多くの方々にはさらに馴染みの薄い "VSC" について。 マンドリン、マンドラ、ギター

 "VSC" とは "Vertual Sound Canvas (ヴァーチャル・サウンド・カンヴァス) " の略で、私が当サイトに Upしている MIDI の曲演奏を作っているソフトの SSW のプラグイン・ソフト (付加して機能を拡大するソフト) で、今年の7月末に発売になったものです。

 今でも遙か昔の 13年前に 販売中止 となってしまった ヤマハの XG音源 を使うために、これまた サポート中止となってしまった XPパソコン を使わざるを得ない現状を打破できると期待してこの VSC に飛びつき、発売日に購入。 早速手を着けましたが、....。

 先ずは、パッケージ版がなく SSWの Ver.9.5と抱合せ販売の ダウンロード版で プラグインのため マニュアルも ほぼないと言って良く、メールで色々追い合わせてなんとか SSW に セットできたものの、様々な ハード音源、ソフト音源 の音を復刻・実現できるようにしているせいか、それらをどう組み合わせたら目指す音になるのか、色々いじってみたものの、一向にそれらしくならず、マンドリンの音もせいぜい バンジョーに近い音が出せた程度のところで、一時 (?) 断念。

 同じ プラグインでも ヤマハのものは SSWに セットするだけで済んだものが、この VSCでは各種の機能の組み合わせを際限なく試すしかないようで、とても付き合いきれないという気分です。 ...まだまだ XPパソコンには健在でいてもらわねば、という状況です。


 TPPと著作権  2016年 12月 1日

 今月も 横文字略語の タイトルとなってしまい、また、当サイトでは馴染みにくい政治向きの話で恐縮ですが、アメリカで トランプ氏の時期大統領に就任に伴い、今、成立が危ぶまれている TPP (環太平洋経済連携協定) について、当サイトでも無関係とは言っていられない問題があるので、その点について。

 それは現在日本で著作権者の没後 50年とされている著作権の有効期間が TPP成立によって欧米並みに 70年に拡大されるということで、そうなると当サイトで載せられなくなる曲が増えてしまうことになります。

  当サイトのような曲の載せ方をしている場合、著作権が生きている曲の著作権料は 1曲につき 月150円、年額では割安になって 1,200円、10曲では さらに割安の 月1,000円で、年額は1万円が 載せている私にかかります。 ...一見 大した額ではないようにも思えますが、"たった 10曲でも 毎年 1万円" は個人の無料配信の サイトには高すぎる額です。...私はこうした負担を避けるべく、これまでもこれらに該当する曲の Upを断念し、著作権消滅時期まで我慢。 期間が拡大すれば その我慢の範囲がますます広がることになってしまう分けで、文化の共有・伝播の有り様としても大いに問題アリとも思います。

 この期間の設定が作者の遺族の保護という観点からだとすれば 50年でも不当なほどの長さで、例えば 「赤とんぼ」 などの名曲で広く知られる 山田耕作 (1886-1965) の著作権が昨年で消滅しましたが、70年に伸びるとすれば 2035年までの あと 20年近く待たされることになり、その間にこちらの方が没してしまう (?) でしょう。 作者の没後は徴収不要か、必要であってもせいぜい 5〜10年位もあれば十分ではないかと私などは単純に思いますが、そもそもが各国の税収に関わることから こうした長期間の規定になっているようです。 トランプ氏の大統領就任によって TPPの成立が危ぶまれていることには危惧の念を感じる私でも、この点では その不成立を歓迎したいところです。



前 半 期 (2016.上)    次 半 期 (2017.上)
初 期 (1996.下)    ひと言 トップ    ト ッ プ

★ Copyright (C) 1996.9.5. - Ikemy (Japan) : All Rights Reserved ★