"William Tell" Overture

スイスにて
 

歌劇 「ウィリアム・テル」 序曲 <全曲>  (ロッシーニ作曲)

"William Tell" Overture  (Rossini)

(管弦楽、11'50"、MP3 : 10.8MB)
(写真は スイスにて<スライドショー>)

  ロッシーニ (1792-1868) の 37才の時の、彼の最後の歌劇作品。 第1部 「夜明け」、第2部 「」、第3部 「静けさ」 、そして皆さんよくご存知の終曲 (第4部) 「スイス軍隊の行進」 と続きますが、通常はこの頁のように これらが続けて演奏されます。
 
    歌劇 「ウィリアム・テル」 は、1200年頃の スイス:ルツェルン湖のあたりを舞台にした、オーストリアの悪代官と反乱を企てる ウィリアム・テル一味との確執に、一味の若者と悪代官の娘の恋愛が織り込まれたもので、最後は テルによって悪代官は斃され、スイスに平和がもたらされるというものです。 悪代官側の無理難題で テルが息子の頭に載せたりんごを射落とすように命じられ、みごと射抜いたという場面は有名ですね。 ただ、この歌劇は約5時間に及ぶことと全体に盛り上がりに欠けることもあって、最近でも滅多に演奏される機会のないものです。
 
  第1部 「夜明け」 は、アンダンテ、ホ短調、4分の3拍子。 チェロの 5重奏を主体に進行し、途中から チェロ群と ベースが加わり、遠雷のように ティンパニーが入ります。 印象としては、いつもは穏やかに見えていた山や湖が、今は波乱の様相を含んで沈思黙考 あるいは 呻吟しながら夜明けを迎えつつある、といった曲のように思います。
 
  第2部 「嵐」 は、アレグロ、2分の 2拍子。 弦の細かい動きによる不気味な予感や空気が冷え雨が当たってくる様、そして金管の "風神" が暴れ回る下で弦の木々が ムンクの "叫び" を上げてなびくかのような様、風がおさまり、木管の雨だれや、鳥が鳴きだす様、など、色彩感も鮮やかに繰り広げられます。
 
  第3部 「静けさ」 は、アンダンティーノ、ト長調、8分の 3拍子。 穏やかな イングリッシュ・ホルンの牧笛に フルートが こだまし、やがて トライアングルが鳴り始めると フルートが技巧的な オブリガート (主旋律に競う助奏) で イングリッシュ・ホルンに からまっていきます。
 
  第4部 「スイス軍隊の行進」 は、アレグロ・ヴィヴァーチェ、4分の 2拍子、ホ長調。 トランペットの ファンファーレのような序奏に始まり、力を蓄えたような弦の弱音の騎馬行がやがて管楽器を加えて勢力を増し、中間部に入ると軽快に山野を駆け巡り、やがてまた弦の弱音の騎馬行から全奏で勝利の凱歌へと突き進んで行きます。
 
  なお ロッシーニの歌劇序曲としては当サイトには 歌劇 「セビリアの理髪士」 序曲 も Upしてありますので、お聴きください。